メッセージ・活動紹介

ご支援を頂いた皆様にお礼

拝啓 初夏の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
三宅島からの避難以来、格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。また、ご無沙汰ばかりで誠に心苦しく存じております。


さて、この度お陰を持ちまして私たち三宅島島民は二月一日に全島避難指示が解除されました。この解除を受けて、私も三月中旬には母を避難先に残し(6月下旬帰島予定)単身で三宅島への引越しを行いました。しかし地震と火山ガスによる家屋とその周辺の被害が思いのほか甚大で、その修繕のために大工や電機関係の業者等の出入りで、今日まで家を動く事も出来ずに釘付け状態でした。一方、各地から「三宅島の噴火災害の状況」の報告、講演、会議等もあるために、島と内地とを行き来する状態で落ち着くまでには至っておりません。


三宅島の現地では、毎日戦時中のB29の来襲による「警戒警報発令」の如く村の火山ガス警報が24時間鳴りっぱなしです。今でも日に3千トンから1万トンのガスが放出されている為に、風向きが変っても必ず島内の何処かでガスの重量が重いために程度の差があれ影響を受けているのです。島民は安眠が出来ずに健康を害するので影響のある地域に放送をするように要望をしておりますが、行政責任を問われる事を恐れ聞き入れておりません。更に常時ガスマスクの携帯や、立ち入り警戒地区も45%に及び空港、役場、学校等の公共施設、農業、観光地域・民宿施設等も制限を受けて打撃を蒙っております。


こんな現状ですが、これ以上、避難生活が長引くと家屋被害、健康維持、高齢者が多いために体力の限界など考えると、島民は苦渋の決断をしました。しかし、約3200人の島民在籍の半数が帰島者となっており、私たちのように、家族が分断され島と内地との二重生活をおくる若い家族も多数あります。噴火の被災地として三宅島は、ボランティアの皆さんのご支援を受けながら生活再建は始まったばかりですが、ぜひ三宅島にもガス等が落ち着きましたらお出で下さい。


私も、三宅島島民連絡会会長の重責を経た経験から、この実態と島民の生活再建、島おこし、再生のために、いま少し努力を重ねたいと思っております。皆さまの引き続きのご高配を賜りますようにお願い致します。


後片付けなどに取り紛れ、お礼のご返事が遅れましたことをどうかあしからずお許しの程をお願い申し上げます。


右 遅ればせながら。

敬 具 

平成17年6月吉日
佐 藤 就 之

 

2005/06/02   三宅島ふるさと再生ネットワーク
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 佐藤就之
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